権利侵害に対する救済手段けんりしんがいにたいするきゅうさいしゅだん
特許権侵害に対しては、以下のとおりの救済方法があります。
- 差止請求権(特許法100条)特許権者は、その権利を侵害する者に対して、侵害の停止を請求する権利があり、また、侵害するおそれがある者に対しては、その侵害の予防を請求することができます。
また、同時に、侵害の行為を組成した物、侵害の行為によって作成された物等の廃棄等、侵害の予防に必要な措置を請求することもできます。 - 損害賠償請求権(民法709条)特許権を故意または過失により侵害した者に対しては、損害賠償請求を求めることができます。
特許権侵害の場合には、損害額の立証が困難であるため、損害賠償額に関する推定規定が設けられています(特許法102条)。また、過失の推定規定も設けられています(特許法103条)。
なお、民事訴訟法の改正により、特許権侵害の事件のうち、訴額が140万円を超える事件については、東京地方裁判所又は大阪地方裁判所に訴訟を提起する必要がありますので、ご注意下さい。 - 信用回復請求権(特許法106条)特許権者の名誉を回復するのに必要な措置の請求も認められています。具体的には、新聞などへの謝罪文の掲載を求める等の行為になります。
- 刑事罰特許権侵害に対しては、刑事罰を求めることもできます(特許法196条)。