TOP > 2020年10月
横浜綜合法律事務所 アーカイブ

親なき後の財産管理

以前から、障がい者施設を運営する社会福祉法人の仕事をしていますが、施設利用者の中には「親なき後の財産管理」に不安を抱く方が少なくありません。
これは、例えば、知的障がいのあるB君の財産を管理している父親のAさんが亡くなった後、B君の財産は誰がどのように管理するのか、という問題ですが、法的には次のような方法があります。

①遺言
Aさんは、生きている間に、遺言により財産の処理方法を定めることができます。例えば、B君の財産管理者を指定したり、B君が取得する遺産を増やしたり、内容を特定する(居住用建物など)などです。

②成年後見人
成年後見人とは、判断能力が不十分で財産を管理できない人のための財産管理人であり、家族からの申し立てにより家庭裁判所が選任し、その監督を受けながら財産の管理を行います。
Aさんは、生きている間に、B君の成年後見人を選任してもらい、B君財産管理をしてもらうことができます。兄弟など親族のほか、弁護士や司法書士が選任される場合もあります。

③民事信託
民事信託とは、信頼できる人に財産の名義を移して、その人に財産の管理や運用・処分などを任せる制度で、契約や遺言ですることができます。
Aさんは、親せきのC氏と信託契約を結んで、B君の財産の名義をC氏に移し、B君の生活のため財産を管理し、毎月の生活費を渡すなどの運用をしてもらえます。

こうした「親なき後の財産管理」に限らず、近ごろ、司法の分野で「司法ソーシャルワーク」という言葉が使われています。これは、司法関係者が、行政や福祉機関などと連携を取りながら、障がい者や高齢者、その家族の抱える法律問題の解決をめざす、という取り組みですが、当事務所としても、今後、こうした動きに積極的に取り組んでいきたいと思います。

10月 23, 2020

身近な自然の価値

神奈川県弁護士会では、定期的に「専門実務研究」という論文集を発行しているが、平成29年4月に発行された号に、私の所属する環境問題委員会の有志が執筆した「神奈川の林地・緑地保全と開発」という論文が掲載された。
論文では、神奈川県内の林地の価値と、それを保全するための規制と手段、その限界などについて、実際の事例をもとに検討しているが、箱根・丹沢の原生林とは別に、都市またはその近郊の緑地として重要なのが「里山」である。
里山とは、都市の近くにある雑木林を指すが、最近は、周りの水田や畑、水路や小川、採草地なども含んだ、農村的な環境全体を指して使われる。原生の自然と異なり、枝打ちなど、人の手による管理がなされることで維持されるため、「二次的自然」などと呼ばれている。
里山は、かつては、食糧や燃料、木材などの資源を得るために人々が手を入れてきたが、現代では、管理の担い手が減り、里山全体が荒廃しつつある。
そのため、生物多様性の保全や、水や大気の浄化、人をリフレッシュする機能、子供の環境教育の場など、現代的機能を認識して、開発を規制するだけでなく、維持・管理を続ける方法を考える必要がある。
ところで、神奈川県や横浜市は、早くから里山保全に積極的に取り組んでおり、意外と身近なところに「県民の森」や「市民の森」に指定された里山があるので、休日の午後にでも、おつまみと缶ビール持参で、ご近所の里山でリフレッシュしてはいかがだろうか。

7月 3, 2020

大島 正寿「バイオマスタウンを旅して」

弁護士会の環境問題委員会の現地調査で、先日、岡山県の真庭(まにわ)市を訪れた。

真庭市は岡山県北部の山間地域にあり、人口5万人弱、面積は横浜市の約2倍(828平方キロメートル)で、その8割を森林が占める。主な産業は林業および木材加工業である。

真庭市は、平成18年に国(農水省)から「バイオマスタウン」の認定を受けている。バイオマスとは、生物由来のエネルギー資源のことだが、真庭市では、木材の伐採や加工の際に生じる木くずを加工して燃料を作り(チップとかペレットと呼ばれる)、それを火力発電に利用したり、家庭用ストーブなどに利用している。地域で発生した廃棄物を利用してエネルギー需要をまかない、新たな地場産業が創出されることで地域振興にも役立つ、という画期的な試みを行っており、テレビ番組や書籍でも紹介されている。

市の観光協会が主催する「バイオマスツアー」に参加し、詳しいガイド付きで、市役所、木材会館、製材工場、バイオマス集積基地、火力発電所、などを1日かけて回り、現場での取組を見せていただいたので、地域が一体となった活性化策を実感することができた。

バイオマスタウン構想は、どこでも採用できる制度ではないが、地域の特性を生かした環境対策として参考になる事案であり、今後も検証していきたいと思う。

1月 20, 2017

大島 正寿「奥尻島のブナ林」

弁護士会の環境調査のため、10月に北海道の奥尻島に行きました。
奥尻島は北海道の最西端にあり、函館から小さなプロペラ飛行機に乗って30分ほどの距離にあります。島の70パーセント以上が森林で、その山林の60パーセント以上がブナの原生林だと聞いていたので、神奈川県内のブナ林との違いを見たいと思っていました。
島に到着した翌日、役場の方の案内でブナの原生林を探索しました。あいにくの雨でしたが、林の中はブナの枝葉が雨をさえぎるため、傘をささなくても濡れずに歩くことができ、さえぎられた雨水がゆっくりと幹を伝わり、筋のように地上に降りて行く様子には少し感動しました。
ところで、奥尻島はウニが名物ですが、季節がずれていたため食べることができませんでした。今度は、是非、ウニの季節の初夏から夏に再調査に訪れたいと思います。

12月 5, 2014

  • 横浜綜合法律事務所へのお問い合わせ
  • 事業再生・事業承継・引退支援
  • お客様からの声
  • 弁護士コラム
  • 研究会・セミナー
取扱い業務
  • 企業法務
  • 遺言・相続
  • 不動産・借地借家
  • 交通事故
  • 労働問題
  • 医療過誤
  • 夫婦・離婚・男女問題
  • 法人の債務整理
  • 個人の債務整理
  • 刑事事件
  • 成年後見・財産管理
  • 知的財産
  • 債権回収・強制執行
  • 顧問契約
  • その他
ページTOPへ戻る