横浜綜合法律事務所 コラム

榎本 ゆき乃「目で見て感じる」

現代社会は情報にあふれている。新聞記事やテレビ等で、当たり前のように、又は、もっともらしく語られていることについて、ともすると、あまり考えもせずに鵜呑みにしたり、分かった気になったりすることはよくあることだが、実際に見てはじめて分かることもあるし、肌で感じることもある。
先日、青森県六ケ所村にある日本原燃を訪れる機会に恵まれた。日本原燃では、原子力発電所から出る使用済み燃料の再処理工場、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター等があり、それらの内部に実際に入って見学させていただくという貴重な体験をした。使用済み燃料棒をせん断・溶解して、高レベル放射性廃棄物とウラン・プルトニウムに分離し、前者はガラス固化して貯蔵し、ウラン・プルトニウムはまた原発の燃料となる・・と聞いても、ちんぷんかんぷんである。実際どんなものかを自分の目で見ても、もちろん全部が分かるわけではないが、例えば、燃料棒はどんなものか、どうやって運ばれてくるのか、どんなところにどんな形で貯蔵されているのか、また、壁の厚さや場所ごとの人の服装、六ヶ所村はどんなところかは多少なりとも分かるわけである。実際に目で見たことからいろいろ感じ、また、日本原燃の方の説明によりまたいろいろに感じたところである。
別の機会に訪れた沖縄では、嘉数高台公園に行ってみた。そこは沖縄戦の激戦地であるとともに、普天間基地が見下ろせる場所で、そこからは、まさに市街地のまっただ中に基地があり、民家のすぐ脇にオスプレイも鎮座しているのが見て取れた。
上記に挙げた原発や基地に関することは、理屈やこうあるべきというべき論だけでなく、いわゆる「現実」を考える必要もあり、立場の異なる様々な意見があるところである。
弁護士の仕事においても、実際に現場や実物を見てはじめて、ああなるほどと分かることもあり、自分の目で見て感じ、また、理屈や正義とともに「現実」を考え、よりよい解決を図ることが重要なことだと思う。

2020年4月10日

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