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新型コロナウイルスに関する緊急相談窓口

事業継続・事業縮小・事業転換・倒産(廃業)じぎょうけいぞく・しゅくしょう・てんかん・とうさん(はいぎょう)

※本ページは令和2年5月8日時点の情報に基づいて作成しています。

(1)事業継続等の判断

ア:資金繰りの見える化
新型コロナウイルス感染症の流行による影響で、売上が大きく落ち込み、資金繰りが厳しい状況の中、事業を継続していくことができるのかどうかについて不安を感じている事業者の方は多いと思います。事業を継続していくためには資金繰りが続くことが必須ですので、事業継続の可否を判断するにあたっては、自社の資金繰りの状況を正確に把握することが非常に重要です。資金繰りを正確に把握しないまま事業を継続してしまうと、資金が完全に底をついてしまい、事業継続が不可能となるだけではなく、廃業することさえ儘ならない状況に陥ってしまいかねません。
イ:資金繰り対策

●資金繰り表の作成の必要

繰り返しになりますが、事業を継続していくにあたっては資金繰りが続くことが必須であり、資金繰りの状況を正確に把握する必要があります。そのために、資金繰り表を作成し、3か月、半年後までにどのような収入と支出が予定されているのかを集計する必要があるのです。資金繰り表を作成しないと、そもそも作成時点で資金繰りが危機的な状況なのかどうかを把握することも困難ですし、いつまで資金繰りが続くのかについて正確に把握することもできません。
資金繰り表を作成することによって初めて自社の資金の状況を正確に把握することができ、どれだけの資金を確保する必要があるのか、またどれだけの支出を抑制する必要があるのかを把握することができます。その上で、融資の必要性、給付金や助成金の活用、融資返済のリスケジュール、公租公課の支払猶予、賃料の支払猶予など事業を継続するために様々な対応策を検討することが必要となります。(詳細は後述のとおり)

●資金繰り表の作成方法

顧問税理士に作成をしてもらうこともできますが、日本公認会計士協会近畿会のHPから資金繰り表のフォーマットをダウンロードして自社で作成することも可能です。資金繰り表については、資金繰り状況をより正確に把握するために、労力はかかりますが、日繰り表を作成することをおすすめします。
作成にあたっては、収入については既に金額が判明しているものについては当該金額、将来の収入については硬めの予測をもとに記入し、支出については漏れなく正確に記入する必要があります。資金繰り表を作成することで、今のままで資金繰りが続くのか、続かないとしてそれはいつの時点で、いくらの資金が必要となるのかなどを把握することができるようになります。

(2)事業継続

ア:融資・貸付の活用

●政府系金融機関や民間金融機関による融資の活用(国、神奈川県、横浜市など)

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、事業者への資金繰り支援として様々な緊急融資(信用保証)制度が整備されています。融資額や融資条件等の詳細は、下記リンク等にて情報が整理されておりますので、そちらをご確認下さい。

●個人向け緊急小口資金等の特例(国)

新型コロナウイルスの影響による休業等を理由に一時的に資金が必要な方への緊急貸付、失業されて生活に困窮された方には生活の立て直しのための安定的な資金貸付が整備されています。貸付額や貸付条件等の詳細は、神奈川県のサイトをご確認下さい。

イ:国や地方自治体による補助金や助成金、給付金等の活用
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、事業者への資金繰り支援として、以下のような補助金や助成金等の整備・拡充がなされております。

●雇用調整助成金(国)

新型コロナウイルス感染症拡大により、一時的な休業等を行うことで、社員・従業員の雇用維持を図る企業に対し、休業手当などの一部を助成するもの。助成額や助成条件等の詳細は、厚生労働省のサイト等にて情報が整理されておりますので、そちらをご確認下さい。

●持続化給付金(国)

新型コロナウイルス感染症拡大により、特に大きな影響を受ける事業者の事業継続を下支えすることを目的とした給付金。給付額や給付条件等の詳細は、経済産業省のサイトにて情報が整理されておりますので、そちらをご確認下さい。

●神奈川県新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金(神奈川県)

新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するため、休業や夜間営業時間の短縮に協力した中小企業、個人事業主に対して交付される協力金。神奈川県における交付額や交付条件等の詳細は、神奈川県のサイト①神奈川県のサイト②にて情報が整理されておりますので、そちらをご確認下さい。

●生産性革命推進事業の拡充(国)

新型コロナウイルス感染症が事業環境に与える特徴的な影響を乗り越えるために前向きな投資を行う事業者向けに「生産性革命推進事業」における各補助事業(ものづくり・商業・サービス補助金、小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金)の補助率又は補助上限を引き上げた「特別枠」を新たに設けるもの。各補助事業の拡充内容の詳細は、中小企業基盤整備機構のサイト神奈川県のサイトにて情報が整理されておりますので、そちらをご確認下さい。

●従業員を雇用する事業者向けの小学校休業等対応助成金(国)

新型コロナウイルス感染症に関する対応として臨時休業等をした小学校等に通う子ども等の世話を保護者として行うことが必要となった従業員に対し、年次有給休暇ではない有給(賃金全額支給)の休暇を取得させた事業主に対する助成金。助成額や助成条件等の詳細は、厚生労働省のサイト神奈川県のサイト等にて情報が整理されておりますので、そちらをご確認下さい。

●個人事業主・フリーランス向けの小学校休業等対応支援金(国)

小学校等の臨時休業等に伴い、子どもの世話を行うために、契約した仕事ができなくなった個人事業主や、フリーランスで仕事をする保護者に対する支援金。支援額や支援件等の詳細は、厚生労働省のサイト神奈川県のサイト等にて情報が整理されておりますので、そちらをご確認下さい。

●その他

・働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)(国)
・働き方改革推進支援助成金(職場意識改善特例コース)(国)

ウ:支払猶予制度の活用やリスケ・一時的支払猶予等の交渉

●厚生年金保険料等の猶予制度(国)

厚生年金保険料等を一時に納付することにより、事業の継続等を困難にするおそれがあるなどの一定の要件に該当するときは、納付すべき保険料等の納期限から6ヶ月以内に管轄の年金事務所へ申請することにより、換価の猶予が認められる場合があります。また、一定の要件に該当するときは、厚生年金保険料等を一時的に納付することが困難な時は、管轄の年金事務所を経由して地方(支)局長へ申請することにより、納付の猶予が認められる場合があります。猶予の要件等の詳細は、神奈川県のサイトをご確認下さい。

●国税納付の猶予制度(国)

新型コロナウイルス感染症の影響により国税を一時に納付することが困難な場合には、税務署に申請することにより、換価の猶予が認められることがあります。また、一定の事情がある場合には、納税の猶予が認められることがあります。猶予の要件等の詳細は、国税庁のサイトをご確認下さい。

●個人事業税納付の猶予制度(県)

県税を一時に納付できない事情のある方については、「徴収の猶予」や「申請による換価の猶予」が適用されることがあります。猶予の要件等の詳細は、神奈川県のサイトをご確認下さい。

●公共料金の支払猶予等

国は、料金の支払いに困難な事業がある方に対して、その置かれた状況に配慮し、料金の支払猶予や支払い延滞時の対応について、迅速かつ柔軟に対応するよう、電気・ガス事業者に要請しております。各事業者の対応状況については、契約されている電気・ガス事業者にご確認ください。また、神奈川県企業庁は、新型コロナウイルス感染症の影響により上下水道料金の支払いが困難になった方に対して、県営水道料金の支払いを猶予しています。詳細は、所管水道営業所にご確認下さい。

●金融機関や取引先とのリスケや一時的支払猶予の交渉
●賃貸人との支払猶予や賃料減額等の交渉
●従業員との支払猶予や賃金減額等の交渉
エ:事業再生

●中小企業再生支援協議会

中小企業再生支援協議会は、中小企業の事業再生に向けた取り組みを支援する「国の公的機関」として47都道県に設置されている「地域における再生支援のプラットフォーム」です。同協議会を利用することによって(原則無料です。)、今般の新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小企業に代わり、金融機関との調整を行い、最大1年間の返済猶予を含む再生計画策定の支援を受けることができます。支援内容等の詳細については、こちらをご参照ください。

●特定調停

特定調停とは、裁判所を交えた債務整理の方法です。簡易裁判所に申立てを行い、簡易裁判所の指定する調停委員のもとで、返済条件の軽減(借金の減額や支払方法の変更など)等について債権者と話し合う制度です。特定調停の申し立てを選択するかどうかについては、資金繰り状況や債務の内容を検討する必要がありますので、まずは、当事務所の弁護士にご相談ください。また、詳しい内容は、当事務所ホームページ内でもご案内しております。

●民事再生

民事再生は、会社の経営を維持しつつ、裁判所における手続の中で再建のための計画(債権額の圧縮や支払時期・金額等を定めます)を作成し、その計画に基づいて弁済をしていくことで、利害関係者の利害を適切に調整しつつ、会社を再建させるというものです。民事再生の申し立てを選択するかどうかについても、資金繰り状況や債務の内容を検討する必要がありますので、まずは、当事務所の弁護士にご相談ください。また、詳しい内容は当事務所ホームページでもご案内しております。

(3)事業縮小

ア:賃金の引き下げ
雇用調整助成金等を活用しても資金繰りの問題が改善しない場合には、賃金の引き下げによって、人件費の削減を検討せざるを得なくなります。ただし、賃金の引き下げについては、会社側が一方的に行う事は原則として許されていませんので、各労働者との間で個別に合意を得る必要があります。例外的に、就業規則を変更することによって、各労働者から個別の合意を得ることなく、賃金を引き下げることは可能ですがその場合であっても、「就業規則の変更が、①労働者のうける不利益の程度、②労働条件の変更の必要性、③変更後の就業規則の内容の相当性、④労働組合等との交渉の状況、⑤その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものである」ことが必要になります。
イ:人員整理
賃金の引き下げだけでは、資金繰りの問題が改善しない場合には、人員削減を行わざる得なくなります。その場合には、以下の①~③の順序で、人員削減を進めて頂くことになります。
①希望退職
まずは、労働者側からの自主的な退職を募る方法を模索することになります。労働者側の同意を得て行う人員削減ですので、後日、紛争に発展するリスクを低く抑えることができます。
②退職勧奨
個別に労働者に退職を勧める方法ですが、労働者側には、退職に応じる義務はありませんので、労働者から同意を得るためには、真摯な協議が必要になります。なお、退職勧奨行為が執拗・強制的なものである場合には、不法行為として損害賠償責任を負う可能性がありますので、退職勧奨を行うにあたっては、この点について、十分な注意が必要になります。
③整理解雇
希望退職、退職勧奨をおこなっても、更なる人員削減の必要がある場合には、業績悪化による整理解雇を行う事になりますが、その場合には、以下の4要件を満たさないと、解雇が無効とされる可能性がありますので、十分な注意が必要です。
  • ⅰ:人員削減の必要性があること
  • ⅱ:解雇回避努力を尽くしたこと
  • ⅲ:人員選定に合理性があること
  • ⅳ:解雇手続に相当性があること
事業縮小に伴う人件費の削減に関しては、紛争になりやすい為、事前に当事務所の弁護士にご相談ください。

(4)事業転換

新型コロナウイルス感染症の流行による影響で、大きく売上が落ち込んでいる事業者の打開策として、新たなサービスを提供する方策が考えられます。具体的には、飲食事業者が、新たなサービスとして「テイクアウト」「宅配」「移動販売」を始めることや、小売業者が店舗販売からEC販売にシフトすることがその一例として挙げることができます。東京都内の事業者であれば、業態転換支援(新型コロナウイルス感染症緊急対策)事業による助成金を申請することにより、100万円を上限として助成対象経費の4/5以内で支援を受けることができます。詳しくは、こちらをご確認下さい。
また、事業継続の項でも取り上げておりますが、新型コロナウイルス感染症が事業環境に与える特徴的な影響を乗り越えるために前向きな投資を行う事業者向けの、「生産性革命推進事業」について、補助率又は補助上限を引き上げた「特別枠」が新たに設けられることとなりました。各補助事業の拡充内容は次の通りです。

①ものづくり・商業・サービス補助金
補助率を2分の1から3分の2へ引上げ中小企業等が感染症の影響を乗り越えるための、新製品・サービス・生産プロセスの改善に必要な設備投資等を支援。
②小規模事業者持続化補助金
補助上限を50万円から100万円へ引上げ小規模事業者等が感染症の影響を乗り越えるために、経営計画を作成して取り組む販路開拓等の取組を支援
③IT導入補助金
補助率を2分の1から3分の2へ引上げ中小企業等が感染症の影響を乗り越えるための、ハードウェア(PC、タブレット端末等)のレンタル等も含めた、ITツール導入を支援。申請の要件などの詳細はこちらをご確認下さい。

(5)倒産

新型コロナウイルス感染症の流行による影響で、事業の継続を断念し、廃業とせざるを得なくなった場合には、法的な倒産手続を取ることが考えられます。再建型の倒産手続については、先の項で触れておりますので、ここでは、清算型の倒産手続について説明をさせていただきます。清算型の倒産手続には、典型的なものとして破産手続がありますが、それ以外にも特別清算手続という手続があります。いずれの手続についてもメリットとデメリットがありますので、手続の選択などにつきましては、当事務所の弁護士にご相談下さい。また、詳しい内容は、当事務所ホームページ内でもご案内しております。

横浜綜合法律事務所では、弁護士による無料の法律相談を実施しております。お悩みの方はお気軽にご相談下さい。

※本ページは令和2年5月8日時点の情報に基づいて作成しています。

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