横浜綜合法律事務所

知的財産「商標法改正」

商標法改正これまでの商標法では、文字、図形、記号、もしくは立体形状と色彩の結合が保護される「商標」とされていましたが、近年、ブランドイメージの発信手段として、色彩、音(サウンドロゴ)、ホログラム等の新しいタイプの商標を活用する動きが見られ、これを保護する必要が指摘されるようになりました。
そこで、商標法が改正され、保護の対象が以下のものにまで拡大されました。

動き商標 文字や図形等が時間の経過に伴って変化する商標
(テレビ画面等に映し出される変化する文字や図形など)
ホログラム商標 文字や図形等がホログラフィーその他の方法により変化する商標
(見る角度によって変化してみえる文字や図形など)
色彩のみからなる商標 単色又は複数の色彩の組合せのみからなる商標
(商品の包装紙や広告用の看板に使用される色彩など)
音商標 音楽、音声、自然音等からなる商標で、聴覚で認識される商標
(CMなどに使われるサウンドロゴやパソコンの起動音など)
位置商標 文字や図形等の標章を商品等に付す位置が特定される商標

改正商標法は平成27年4月1日から施行され、同日以降、上記の新しいタイプの商標の出願も受付が開始しています。特許庁のHPによれば、同月24日までの出願受付は、607件になっているとのことですので、新しいタイプの商標への関心の高さがうかがえます。
著名なところでは、大幸薬品が「正露丸」のCMで使用しているラッパのメロディーや、久光製薬がCMメロディーとして使用している「♪ヒ・サ・ミ・ツ♪」の出願申請がされたとのことです。
なお、商標登録には、登録要件として、商品やサービスが誰のものかを示す機能を持つこと(識別力)が要求されますので、全ての出願商標が登録されるわけではなく、登録の基準については、今後の事例の集積を待つ必要があろうかと思われます。

2015年5月15日

知的財産「商号と商標登録について」

かつては、同一の市区町村内では、同一の商号を登録することができなかったのですが、商法の改正により、同一の市区町村内においても、同一・類似の商号を登録できるようになりました。
そのため、かつてのように商号を独占的に使用することができなくなり、不正の目的をもって他社に使用されている場合等、例外的な場合にのみ商号の使用を排除することができるだけになってしまいました。

そこで、自社の商号を他社が使用することを防止する為には、商号についての商標登録を行うことをお勧めします。
商号についての商標登録をしておけば、不正の目的の有無を問わずに、指定商品や指定役務に関し、同一または類似の商号を使用する者に対して、その商号の使用の差止や損害賠償を求めることができるようになります。

2013年12月13日

知的財産「動画サイトからのダウンロードと著作権の関係」

平成24年10月1日施行の改正著作権法では、違法に配信されている音楽や映像を違法と知りながらダウンロードを行った場合には、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金に処せられ、またはこれを伴科することとされています(ただし、親告罪ですので、著作権を侵害された者からの告訴が無ければ罰せられることはありません)

この改正にともない、巷では、「You Tube」などの動画投稿サイトの画像を見るだけでも刑事処分が課せられるというようなことが言われていましたが、これは全くの誤解です。
確かに、「You Tube」などの動画投稿サイトの場合には、画像を見る為に、データをダウンロードしながら再生することになるので、この点だけを取りあげれば、違法なデータをダウンロードしたことになるようにも思われますが、このようなダウンロードは、著作権法47条の8により認められることになっていますので、刑事処分の対象とはならないのです。

2013年12月13日

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