トピック
Topic
コラム2026.01.19
養育費の今後の行方
これまで養育費の取り決めがされていなかったり、取り決めをしても、養育費の支払いも滞ったりしていた現状がありました。
そのため、養育費の支払履行を充実させるため、令和6年5月に、民法が改正されました。養育費の履行確保に向けた見直しです。
1つ目が、法定養育費制度が創設されました。これは、協議離婚の際、養育費の取り決めをしない場合にも、離婚時から引き続き子の監護を主に行う父又は母は、他の一方に対し、離婚の日から毎月末に、子の監護費用の分担として、子の最低限度の生活の維持に要する標準的な費用の額等を勘案して、子の数に応じて法務省令で定めるとことにより算定した額(法定養育費)の支払請求ができる、ことになりました(民法766条の3新設)。
2つ目が、養育費債権に優先権(先取特権)が付与されたため、債務名義がなくとも差押えが可能になりました(民法306条3号、308条の2新設)。例えば、法定養育費制度に基づき、養育費を請求すれば、調停や審判をしなくても、給与の差押えなどが容易にできます。
3つ目が、養育費債権の債務名義や先取特権を有する者が、財産開示手続の申立てをした場合には、差押命令の申立てをしたものとみなされるため、手続きのワンストップ化が図られています。なお、市町村を通じて、給与債権に係る情報が開示されてしまうこともあるため(民事執行法206条2項)、養育費支払義務者は、給与差押えのリスクがあることを考え、任意に養育費の支払いをすることも検討課題となるでしょう。
以上の民法改正により、これまで、養育費の支払いを求めていなかった方々が、簡単に養育費の請求ができ、また、その履行が確保されやすくなりました。
この新しい制度が活用されると、その社会的影響は大きいと言われています。