横浜綜合法律事務所

交通事故「交通事故による後遺障害~高次脳機能障害~」

後遺障害とは、治療を継続してもこれ以上症状が改善する見込みがない状態になったときに身体に残った障害のことを言います。
交通事故による後遺障害の一つに、頭部外傷による脳損傷を原因とする「高次脳機能障害」というものがあります。「高次脳機能障害」には、例えば、以下のような特徴的な症状があると言われており、特に症状が重いケースでは、外見上は症状が回復しているように見えるにもかかわらず被害者の社会復帰が進まないということも珍しくありません。

【認知障害(知的障害)】
・物の置き場所を忘れたり、新しいことを覚えていられなくなる。
・注意したり集中したりできない。
・計画的な行動等ができない。
・自分が障害を持っていることを認識できない。

【情動障害(性格・人格変化)】
・すぐ他人に頼る、幼稚になる。
・過食や過剰動作など自己抑制がきかなくなる。
・すぐに感情が変わる。
・不機嫌・攻撃的な言動態度が増えたり、わがままになる。
・被害妄想がつよくなる、反社会的な行動をする。

「高次脳機能障害」は、急性期における合併外傷のために医師に見落とされたり、家族や被害者本人も症状の存在に気が付かなかったりなど、看過されやすい障害であることに加え、被害者によって症状が様々であったり、必ずしも障害の客観的な評価方法が確立しているとは言えないなどといった現状等から、交通事故と障害との因果関係や障害の程度等が裁判などで争われることが比較的多い後遺障害であると言えます。
この点、交通事故による頭部外傷の事案につき、現在の医療検査技術で脳の器質的損傷を示す異常所見が見当たらないからと言って、交通事故後の記憶障害、易怒性、意欲低下等の症状が脳の器質的損傷によることを否定することは相当でないとして、高次脳機能障害を認めた裁判例(大阪高判平21.3.26)が一つの参考となります。

2015年12月9日

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