労働問題「有期労働契約の無期労働契約への転換」
有期労働契約(契約期間の定めのある労働契約)の労働者(アルバイト、パート、契約社員等も含まれます)が安心して働き続けることができるよう、労働契約法が改正され、有期労働契約の適正利用のためのルールが整備されました。
改正のポイントは、①有期労働契約の無期労働契約への転換(労働契約法18条)、②最高裁判例により確立された雇い止め法理の法定化(労働契約法19条)、③不合理な労働条件の禁止(労働契約法20条)です。
今回は、有期労働契約の無期労働契約への転換について、簡単にご説明します。
新しい労働契約法18条は、次のとおり定めています。
同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約(契約期間の始期の到来前のものを除く)の契約期間を通算した期間(通算契約期間)が5年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、当該満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなす(労働契約法18条1項)。
つまり、簡単に言うと、同一使用者との間で、有期労働契約が通算して5年を超えて繰り返し更新された場合には、労働者の申し込みにより、労働契約が無期労働契約に転換することとなります。
ちなみに、通算契約期間のカウントについては、平成25年4月1日以後に開始する有期労働契約が対象となり、平成25年3月31日以前に開始した有期労働契約は通算契約期間に含めないものとされています。
また、労働契約が無期労働契約に転換した場合において、当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件(職務内容、勤務地、賃金等)は、別段の定めがない限り、現に締結している有期労働契約の内容である労働条件(契約期間を除く)と同一の労働条件となるとされています。
有期労働契約で労働者を雇用している事業主や、有期労働契約で雇用されている労働者は、注意が必要です。
なお、通算契約期間の計算方法の詳細については、労働契約法18条2項をご参照下さい。
2013年12月12日