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横浜綜合法律事務所 アーカイブ

新たな楽しみ

最近、日本料理を仕事としていた友人から、料理を習い始めた。これまで、料理は適当になんとなく作っており、本やスマホで探したレシピを参考にする程度で、きちんと習ったことはなかったが、友人が作った懐石料理(お茶会のときにいただいた)があまりに美味しくて、自分でもこんなお料理ができたら・・と思い、教えてもらうことに相成ったのである。

さて、お料理教室。まずはじめに教えてもらったのが、日本料理の基本、昆布と鰹節でひく出汁である。昆布は水から入れて沸騰する直前に出し、沸騰したら鰹節を入れる、くらいのことは知っていたが、時間のかけ方やかきまぜたりせず静かにして漉すことなどいくつかのポイントを教えてもらい、美しい透き通ったお出汁ができた。最近は、出汁専門店が出しているパックのお出汁もなかなかに美味しく、簡単なので重宝していたが、やはり昆布の鰹節でひく出汁には到底かなわない。きれいなお出汁がとれたら、これを使って汁物や煮物をつくる。教えてもらった鯛と蕪のお椀は、ふわーっとたちのぼる出汁の香りがたまらない・・。酢の物もひいた出汁を使うと優しい味に仕上がり大満足である。いんげんの胡麻和えも、すりたてのごまを出汁でのばしてつくると、本当に美味しい。昆布と鰹節だけでこんなに美味しいものができることを知った次第である。

つい先日は、イサキの木の芽焼を習った。塩をふって30分おいておくことや、皮目に細かい包丁目を入れると皮と身の間の脂が外に出て皮目がぱりっとすること、串をさしてイサキをうねらせて焼くと火がいきわたりやすいこと等々を教えてもらい、いざ焼いてみると、皮目がパリッと、実はふっくら。それに木の目を包丁でたたいて香りを出してふりかけると、思わず笑みがこぼれる美味しさ。また、刺身の切り方で美味しさが全然違うということで、刺身包丁を新調し、こんにゃくで練習していざ挑戦。これが友人の先生のとはだいぶ違う結果に。刺身包丁の使い方はまだまだ修練が必要である。

新たな楽しみを見つけ、懐石料理とまではいかぬとも、憧れの「料理のできる女性」目指してレパートリーを増やしたいと思う今日この頃である。

9月 25, 2020

恋文の公開

先日、日本経済新聞に、作家遠藤周作が恋人に宛てて書いた手紙が見つかったとの記事が掲載されていた。しばらく前にも、川端康成や谷崎潤一郎の同じような記事を見たことがある。著名な作家になると、最もプライベートな恋文までが研究対象となり、そして、一般に公開されてしまう。当の本人たちは、これをどう思うのか。こんなことなら、もう少し考えて書けばよかったと考えるのではないだろうか・・。ただ、羞恥心を感じるのではないかと思うのは一般人的感覚で、偉大な作家は、小説などの作品自体が自身の魂の暴露であるから、恋文が公開されようと特段なにも思わないのかもしれない。

また、マリリン・モンローの2番目の夫であるジョー・ジマジオがモンローに宛てて書いたラブレターが競売により1000万円で落札された、との記事も見たことがあるが、これを本人たちがどう思うのかも別の意味で興味深いところである。

これらを法的に考えてみると、「プライバシー侵害」というのが頭に浮かぶが、著名人であるということを除いても、そもそも死者のプライバシーは認められるのかという問題もある。また、個人情報保護法の保護対象は「生存する個人」に関する情報であるため、保護される個人情報にはあたらない。ということは、自分が生きている間に自分で始末しておく必要があるということである。忘れてなければ、だが。

一般人にとってはラブレターが公開されるなどというのはいらぬ心配だが、最近では、メールやラインの内容が裁判の証拠となることはよくあることであり、国会でも話題である。メールやラインは手軽であるため、そう深く考えもせずにやり取りがなされ、そして残ってしまう。後悔しても後の祭りである。ただ、よくよく練って作成した手紙の方が、後々見ると、赤面するかもしれないので、どちらがいいとも言えないが・・・。また、リベンジポルノなど深刻な事態も問題になっている。
いずれにしても、自己の情報の管理には細心の注意が必要である。

7月 17, 2020

裁判における「鑑定」

裁判では、争点につき専門的な判断が必要な場合、専門家による「鑑定」がなされることがある。鑑定には、人の同一性や血縁関係の有無に関するDNA鑑定、不動産価格に関する不動産鑑定、筆跡の同一性に関する筆跡鑑定、医療裁判における医師の見解を求める医療鑑定などがある。
このうち、DNA鑑定は、現在では、精度が極めて高く、99%以上の確率での判定ができるとされているが、以前は精度が低かったために間違った判断がなされ、その結果、冤罪が生まれてしまうこともあったわけである。また、医療鑑定などでは、医師により見解が異なることもあり、どの医師を鑑定人とするかにつき争いとなったという経験もした。
ところで、数年前に私が扱った事案で、筆跡鑑定がなされたことがあった。事案は、相続に関するもので、自筆証書遺言の字につき、亡くなった本人が書いたものかどうかが争われて筆跡鑑定がなされたというものである。筆跡鑑定というのは、本人が書いたものを対象筆跡として提出し、それとの比較分析により同一人による筆跡かを判断するのであるが、そもそも人はいろいろな字を書くものであり、精度は高いものではない。たとえば、走り書きと遺言書を書くときの字というのは、おのずと丁寧さが異なる。このときも、「のぎへん」の第一画目につき、右から左にはらっているものと、左から右に書かれているものがあり、問題となった側面もあった。最終的には、同一人物によって記載された可能性が高いという結果となりほっとしたが、精度が高くない鑑定については、それが判決内容に大きな影響を与えかねないことを考えると、鑑定をすること自体微妙な判断が必要となってもくるわけである。
裁判官は(もちろん弁護士も)万能ではないから、専門家の知見が必要なことは言うまでもないが、その鑑定結果は、多くの場合裁判の帰趨を左右することになるため、弁護士としても極めて神経を使う場面である。

5月 22, 2020

榎本 ゆき乃「目で見て感じる」

現代社会は情報にあふれている。新聞記事やテレビ等で、当たり前のように、又は、もっともらしく語られていることについて、ともすると、あまり考えもせずに鵜呑みにしたり、分かった気になったりすることはよくあることだが、実際に見てはじめて分かることもあるし、肌で感じることもある。
先日、青森県六ケ所村にある日本原燃を訪れる機会に恵まれた。日本原燃では、原子力発電所から出る使用済み燃料の再処理工場、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター等があり、それらの内部に実際に入って見学させていただくという貴重な体験をした。使用済み燃料棒をせん断・溶解して、高レベル放射性廃棄物とウラン・プルトニウムに分離し、前者はガラス固化して貯蔵し、ウラン・プルトニウムはまた原発の燃料となる・・と聞いても、ちんぷんかんぷんである。実際どんなものかを自分の目で見ても、もちろん全部が分かるわけではないが、例えば、燃料棒はどんなものか、どうやって運ばれてくるのか、どんなところにどんな形で貯蔵されているのか、また、壁の厚さや場所ごとの人の服装、六ヶ所村はどんなところかは多少なりとも分かるわけである。実際に目で見たことからいろいろ感じ、また、日本原燃の方の説明によりまたいろいろに感じたところである。
別の機会に訪れた沖縄では、嘉数高台公園に行ってみた。そこは沖縄戦の激戦地であるとともに、普天間基地が見下ろせる場所で、そこからは、まさに市街地のまっただ中に基地があり、民家のすぐ脇にオスプレイも鎮座しているのが見て取れた。
上記に挙げた原発や基地に関することは、理屈やこうあるべきというべき論だけでなく、いわゆる「現実」を考える必要もあり、立場の異なる様々な意見があるところである。
弁護士の仕事においても、実際に現場や実物を見てはじめて、ああなるほどと分かることもあり、自分の目で見て感じ、また、理屈や正義とともに「現実」を考え、よりよい解決を図ることが重要なことだと思う。

4月 10, 2020

榎本 ゆき乃「預金等の相続について」

被相続人が財産を残して亡くなった場合、相続人間で遺産をどのように分けるか、遺産分割協議をする必要があります。そして、協議が調わなければ家庭裁判所で調停をし、それでもだめなら審判がなされて、遺産の帰属が決まることになります。
ところで、被相続人が残した財産の中には銀行預金等の預金があることがほとんどです。この預金については、法律上、遺産分割の対象にならない、というのは御存知でしょうか? 銀行預金は銀行に対する預金債権ですが、このような可分な債権は、相続によって相続人に当然に分割され(法定相続分で)、遺産分割の対象にならないというのが最高裁の判断なのです。但し、相続人の全員が遺産分割の対象とする合意をすれば別で、たとえば、不動産と預金があり、一人の相続人が不動産を相続し、もう一人の相続人が預金の全額を相続するということもできることになるわけです。言い換えれば、このような合意がなければ、遺産分割の対象にならないのです。
また、預金の場合は上記のとおりですが、では、投資信託の場合はどうか、国債の場合はどうかなど、その種類によって、それが法律上遺産分割の対象になるのかならないのかについて裁判で争われており、近時それぞれ最高裁の判断が出ました。ここでは詳細は割愛しますが、その債権の性質によって判断がなされています。
ただ、現在、相続法の全体について改正が検討されており、上記のような可分債権の当然分割についての見直しも検討事項の一つとなっています。預金は、不動産などとは異なり、遺産を分割する場合の調整として有用であるため、上記のように、合意がない限り当然分割として遺産分割の対象とならないというのは不合理だという考え方もあり、今後の法改正で、預金等の可分債権も、合意なくして遺産分割対象財産となることになるかもしれません。
相続法制改正の動向に注目しています。

10月 14, 2016

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